喫煙・受動喫煙による健康への悪影響について、その被害の実態を示せ。

By | 2017年9月16日

青森市議会第3回定例会の一般質問は6日から11日までの4日間行われました。
奈良岡隆は今議会初日のトップバターで登壇しました。
受動喫煙の害等について青森市の考えを資しました。

WHO(世界保健機関)が今年7月に発表した「世界のたばこ状況報告書」は、日本のたばこ規制は、公共的な場所の禁煙やたばこの害の警告が不十分である、と指摘している。
2020年に、東京五輪・パラリンピックが開催される。国際オリンピック委員会(IOC)は「スモークフリー(煙のない)」オリンピックを提唱しており、2004年以降のオリンピック開催都市は、すべて罰則付きの受動喫煙防止策を導入している。

東京五輪・パラリンピックに向けて、国も、東京都も、地方も、スモークフリー実現のため、受動喫煙防止対策に、急ぎ取り組む必要がある。また、短命県と言われる本県、そして青森市にとって、喫煙・受動喫煙の防止対策は重要な施策である。

【質問 奈良岡隆】
喫煙・受動喫煙による健康への悪影響について、その被害の実態を示せ。

【答弁 青森市保険部長】

たばこの煙に含まれる有害物質について

・たばこの煙には、約5.300種類の化学物質が、その中には、約70種類の発がん性物質が含まれている。

・副流煙には、発がん性物質やニコチン、一酸化炭素などの有害物質が、主流煙の数倍も含まれている。

・喫煙は本人だけでなく、周りの人の健康にも悪影響を及ぼす。

喫煙による健康への影響

・厚生労働省の報告書(平成28年 9月公表 喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書)による喫煙による健康への影響として、喫煙者はたばこを吸わない人より、鼻腔・副鼻腔がん、 口腔・咽頭がん、喉頭がん、食道がん、肺がんなど様々ながんや、脳卒中、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、虚血性心疾患、糖尿病などの病気になりやすくなる。

受動喫煙による健康への影響

・大人では、脳卒中、肺がん、虚血性心疾患の危険性が高くなる。

・子どもでは、乳幼児突然死症候群(SIDS)、喘息などの呼吸器症状がおこりやすくなる。

喫煙· 受動喫煙による被害実態について

・喫煙・受動喫煙による被害実態については、日本における喫煙に起因する年間死亡数は約13万人。

・受動喫煙に起因する年間死亡数は約1万5千人(推計値)。

【質問 奈良岡隆】
厚生労働白書は、この111万人について、リスク要因別の関連死亡者数を公表しているが、その概要を示せ。

【答弁 青森市保険部長】

・ニッポンデータ80における喫煙習潰と日常生活動作低下についての報告は、中年期における喫煙が将来の日常生活動作(ADL)の低下リスクを高めるかどうかについて19年にわたり追跡研究し検討を行ったもので、その結果は、非喫煙者の日常生活動作低下リスクをIとした場合、11日 20本以内の喫煙者の日常生活動作が低下するリスクは 2倍、 21本以上では 2.4 倍となり、 喫煙習慣は、将来の日常生活動作低下のリスクを高めることが示されている。

・この結果から、心疾患やがんのみならず、将来の身体障害を予防するためにも、 喫煙者に対して禁煙の重要性を強調するべきと考えられると報告されている。

【質問 奈良岡隆】
厚労省の研究班などが、19年間にわたって、喫煙の習慣がある人を追跡調査している。その「ニッポンデータ80」の中で示されている喫煙習慣と日常生活の「動作低下」について、報告内容を示せ。

【答弁 青森市保険部長】

・リスク要因別0)関連死亡者数は、死亡につながる複数の危険因子について比較した、日本では初めての研究データで、喫煙、高血糖、肥満、飲酒等l6の危険因子で、どれくらい死亡したのかを分析している。

・これによると、2007年の子どもを含む日本人の死亡者数、約111万人のうち、喫煙が原因で、がんなどで亡くなった方は約12万9千人と最も多く、次いで高血圧が原因で、脳卒中などで亡くなった方は約10万4千人、以下、運動不足、高血糖、高塩分摂取、飲酒等の順で、これらが原因となった死亡者数を推定している。

・研究では「日本が長寿国の座を維持するには、まず、強力で効果的な禁煙対策 が必要。 血圧測定の普及も大切である」と結論づけている。

【質問 奈良岡隆】
医療経済研究機構が「たばこの経済分析」を行っいるが、試算の概要を示せ。

【答弁 青森市保険部長】

・医療経済研究機構によると、2005年の1年間で喫煙による経済損失は、 総額4.3兆円に上る。

・これに対して、税収や産業の利益や賃金、さらには他産業への波及効果を含めた、喫煙が及ぼす経済的な貢献については2.8兆円にとどまると推計されており、全体では、負の影智が上回ると示唆されている。

【質問 奈良岡隆】
受動喫煙によって、1年間に1万5千人が死亡している、と、厚労省は推計しています。その半数以上が職場での受動喫煙による被害と言われます。受動喫煙対策は、急ぎ取り組むべき課題だと考えますが、市の考えを示せ。

【答弁 青森市保険部長】

・短命市の背景に、生活習慣病による旱世の割合が高い状況がある。

・本市において、生活習慣病と密接に関係する、喫煙・受動喫煙防止対策は、喫緊の課題ととらえ、たばこの煙にさらされない社会の構築に向け、特に、来ある子どもたちをたばこの煙から守るための行動指針として、平成25年12月に「青森市たばこの健康被害防止対策ガイドライン」を策定し、禁煙への支援と受動喫煙防止対策を推進しているところである。

・さらに、市民のさらなる健康寿命の延伸に向け、今年度からは、がん対策、たばこ対策、糖尿病重症化予防対策を重点課顆とし、一体的に取り組み、市民総ぐるみの健康づくり運動を強力に推進しているところである。

【質問 奈良岡隆】
受動喫煙による妊婦や小児、子どもへの悪影響についてどのようにとらえているか、示せ。

【答弁 青森市保険部長】

WHO (世界保健機関)及び厚生労働省によると、

・受動喫煙による妊婦への健康影響としては、低出生体重児の出生、早産の増加や、子宮内の胎児の発育遅延や流産にも関連している可能性があることが明らかとされている。

・子どもへの健康影醤では、乳幼児突然死症候群(SIDS)を引き起こすこと、咳、痰、喘鳴などの呼吸器症状の増加や、気管支喘息、気管支炎、肺炎などの呼吸器疾患、中耳炎の原因になることが明らかとなっている。

【意見】

本定例会に、市民団体から「市役所などの敷地内の全面禁煙を求める請願」が提出されている。私は、請願に賛成の立場です。

『なぜ、敷地内禁煙なのか。分煙ではいけないのか』と言えば、それは「市役所だから」です。
市役所は特別の目的・使命を持った場所、エリアであり、喫煙はニコチン依存症です。
「市役所の敷地内禁煙」は、喫煙をはじめとする薬物依存症対策に、市役所が本気で取り組むことの決意の表明となります。

市役所だから必要なのです。民間事業者に範を示す、そうでなければ、市の禁煙対策に耳を貸さないと思います。
市役所が、先導的にやる意義は大きい、と強く訴えます。